左はセツブンソウ、右はフクジュソウ。いずれも伊吹山の南西麓、長尾寺跡にて。2019/02/24(日)撮影
前回のブログ更新は「大寒」でした。今日は早や3月14日、1週後には「春分」を迎える。面目ない。
ホントは二十四節気ごとに更新できるといいのだけれど、体力・気力の衰えを感じる七十男であります。
二十四節気は、1年365日を24で割るので、1節気が15日ないし16日間になる。この1節気ごとに更新できれば読者の皆様にソッポを向かれることもなくなるだろうに...と思う。
さて、すっかり季節は進んでしまったのだけれど、去る2月24日、春めいた陽光のもと、伊吹山の南西麓、米原市大久保に自生するセツブンソウを見にヨメさんと出掛けた。
伊吹山に近づくと南西斜面が痛々しく削られているのが目立つ。伊吹山は伊吹大明神を祀る聖なる山であり、その大明神と戦って敗れたヤマトタケルの尊像が山頂に立つ。であるにも拘わらず、南西斜面は大きく削られてしまった。セメント工場のしわざだ。おそれおおいことである。
「セメント工場」からお察しの通り、伊吹山は石灰岩の塊りである。この石灰岩質を好んで繁殖するのがセツブンソウやフクジュソウなのだ。
私が初めてセツブンソウを知ったのは、島根医大に在職中のことでした。島根県奥出雲の王貫峠(おうぬきだわ)を超えて広島県の備後庄原に行くと、みごとなセツブンソウの群生が観られる。備後庄原地方は結構な雪国で、しかも中国山地は西の秋吉台・秋芳洞から東の岡山県の井倉洞まで、ほぼ石灰岩で出来ているのではなかろうか?(間違っているかもしれません)
豊富な雪解け水と石灰岩質の土壌、これがセツブンソウやフクジュソウに好適地となるらしい。節分草とは言え、節分よりは後に開花する。備後庄原では低い丘の北麓の、残雪の傍で、かつ陽当たりの良い場所に見事なセツブンソウの群生が観られた。フクジュソウも同様の場所に群生していた。どちらも「スプリング・エフェメラル」「春の妖精」と呼ばれる。
この備後庄原でのセツブンソウが忘れられず、島根医大を定年退職し滋賀県に戻ってきてからは「滋賀県内にもセツブンソウの咲く所があるのでは...?」とシブトク考えた。石灰岩質ということでピンと来たのが伊吹山だった。ネット検索したところ、案外簡単にセツブンソウのブログ記事を見つけることができた。
去年が米原市大久保地区への初訪問だった。去年たずねた時は花の時期が少し過ぎていた。今年はブログ記事で開花を確認して直ぐに出掛けることができた。
長尾寺跡地の山林に入っていったが、セツブンソウは一輪も見当たらない。シャガの大群落ばかりである。山の上に行くほどセツブンソウの気配がない。あきらめて毘沙門堂の裏手まで降りてくると、そこに大きな群生地があった。ロープで規制してある。セツブンソウは数百輪がそろって開花している。しかし、土壌が乾燥しきっているせいか、草丈は低く、白い花も大輪とはとても言えない。少し元気がないように感じられた。
備後庄原で見たセツブンソウは雪解け水で湿った陽当たりのよい土地に育ち、草丈も高く、花弁も大きかったような気がする。セツブンソウの栽培法などをネット検索すると、「過湿はダメだけれど、水やりは欠かすな」と書いてある。やはり、大久保地区のセツブンソウはちょっと乾きすぎ、水分不足なのではなかろうか?
伊吹山麓には人知れず咲くセツブンソウの大群落が、探せばきっとありそうな気がする。でも、そっとしておくのが良いのでしょうね。
セツブンソウもフクジュソウも見た目は麗しい妖精の姿だが、どちらもキンポウゲ科の多年草で、有毒です。「キンポウゲ科」に属する有名な毒草、トリカブトは皆さんよくご存知でしょう。しかし、なんと! 醒ヶ井の有名な水中花「バイカモ」もキンポウゲ科なんですね。驚きました。
三雲クリニック
11/1 今日は新旧暦とも ついたち。お朔日詣り。コロナなんか怖くないが、ワクは怖い。打ったらあかん❕ コロ・ワクは毒チン❕❕