ざつがく 雑学2018年11月03日
#94) ヴォーリズ建築 近江八幡 大阪医大

 とうとう一度もブログ更新できぬまま10月は過ぎてしまった。庭のホトトギスは散り果て、夜空にはシリウスやオリオンが輝く季節になった。今日は土曜日だが祝日休診。少し時間が出来た次第。11/7には「立冬」を迎える。

 

 10/13土曜日の診療を終えたあと、原付カブに跨って三雲から近江八幡までほぼ最短距離を走った。この日は2018秋のヴォーリズ建築(以下「V建」と略称)特別公開の最終日。今季の公開対象はアンドリュー記念館とウォーターハウス記念館の2館。

 先ず向かったのはアンドリュー記念館。ここはV建の第1号で、元YMCAという。腹ペコなので2階のナッツ店で軽食が摂れると期待していたのだが、軽食サービスは無し。ナッツ・スムージーでお腹をなだめる。2階の古風なガラス窓を通して鶴翼山のロープウェイがよく見える。

 少しお腹が落ち着いてから1階に降りて案内を受ける。ヴォーリズが腰掛けたという読書ベンチや古いままの鉄製チェアにも座ってみた。薪を焚く暖炉がいい感じ。ニューイングランドの古民家を思い出す。わが少年時代の薪割りと風呂焚きの日々が共鳴波長となっているのかも?

 

 2番目のウォーターハウス館にはカブで簡単に移動。一帯を囲むレンガ塀もよい雰囲気。隣家の吉田邸も素晴らしい。ここでは管理人さん二人の御好意により、定刻を過ぎても追い出されることなく満喫できた。ここは3階建てだが、館の両端に1~3階を貫く煙突(チムニー)があり、各フロアの同じ場所に暖炉がある。但し、3階は非公開ゆえ推察のみ。

 

 V建には大阪医大在学中から親しみを覚えてきた。大阪医大の建物は「サラセン風」と言われていた。サラセンというのはイスラムらしい。確かに、モスク様の装飾が造り付けられたり、イスラム風城壁のようなデザインだったりが印象的だった。解剖館などは特別に異国風というか怪しい雰囲気が立ち込めていた。

 

 平成元年から6年まで在職した薬理学教室は本館時計台の2階にあった。その建物は保存を望まれながらも、昭和5年の建築ゆえ耐震性が無いとの理由で解体撤去された。大阪医科大学のHPの中の「歴史・沿革」のページで旧写真を見ることが出来る。在職中にV建から新築高層ビルに移転した。本館はパワーショベルが一掻きしただけでガサーーッと崩れる有様だった。鉄筋は少なく、コンクリートではなく砂を混ぜただけのモルタルみたいだった。ぞっとした。