世間一般に、「高血圧の治療目標は血圧を基準値の範囲内まで下げることだ」と思われているようです。しかし、それは大きな誤解です。ほんとうの目標は、【高血圧が脳・心・腎にもたらす合併症(脳卒中、心筋梗塞、腎硬化症)を予防すること】なんです。
高血圧を治療せずに放置すると、十年後や二十年後には上記の脳・心・腎の病気を起こして入院や死亡に繫がります。高血圧を適正に治療すれば十年後も二十年後も合併症を起こさず「元気で長生き」を期待することができます。この「適正に」には深~い意味があるのです。
世の中に血圧を下げる薬はゴマンと在ります。しかし、《血圧を下げるけれども合併症を防ぐことが出来ない薬》も多いのです。当方で処方しているACE阻害薬・トランドラプリルとARB・テルミサルタンは、血圧を下げるだけでなく動脈硬化の進展も阻止・抑制できる優れものなんです。これこそが「適正な治療薬」ということになります。
ところが、動脈硬化の進行を抑えて合併症を予防できるか否かは、十年も二十年も飲み続けて初めて分かることですよね。それまでの途中経過が分からないのは不便・不安です。そこで、血圧という分かりやすい目安を「仮の目標」として設定するのです。例えば、【65歳以上だったら160/90以下に収まっていればOK】のように、です。
血管は、20歳を過ぎたら加齢につれて右肩上がりに硬くなっていきます。動脈硬化は生理的な加齢現象であるとも言えます。すなわち「ヒトは血管とともに老いる」のです。
動脈硬化こそは、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病の原因となる病気です。この動脈硬化を加速・増悪させる主な因子には高血圧や糖尿病や高脂血症があります。高血圧をコントロールすれば動脈硬化の進展をある程度抑えることができます。
ただし、薬の種類によっては、血圧をコントロールする能力は高くても動脈硬化を抑える力の弱いものがあります。ACE阻害薬・トランドラプリルやARB・テルミサルタンには、血圧をコントロールするだけでなく、動脈硬化を抑える効果があります。
当クリニックは血管年齢(動脈硬化の程度)を測定する装置を備えていますが、上記の2薬剤を用いることによって血管年齢を若く保つことに成功しています(目下は約1年間の期間しか追跡できていませんが...)。今後十年間、二十年間の服用を続けることによって脳・心・腎の合併症を起こさないようにできるか否か、これからが楽しみです。皆さん、どうぞ「元気で長生き」を!
三雲クリニック
12/7(土) 大雪(黄経255°)次は冬至です。日本人の免疫力落ちてます。打ったらあかん‼ コロ・ワクは毒チンやでぇ❕