診療(診察・治療)2017年10月18日
#54) インフルエンザ予防接種のタイミング

 今年は9月に入って急に気温・湿度とも低下し、東京都内では第1週に学級閉鎖が出たとか。大津市内でも学級閉鎖があったように聞いています。

 

 これらの情報を受けて当クリニックではワクチン入荷を急ぎ、10/10から予防接種を実施しています。ところが、その後は暑いくらいの天候が続き、滋賀県の感染症情報を注視していますが、殆ど患者さんは出ていません。

 

 いつも申していますように、インフルエンザ・ウイルスは低温・乾燥を好みます。ようやく最近になって平年並み、あるいは、平年以上に気温が下がってきました。ところが、長雨のせいで湿度が高いので流行は未だ観られないようです。滋賀県内のインフル患者数は目下ゼロになっています。

 

 また、次の週末頃(10/21-22)には台風21号がやってきそうです。そうなると、また温度・湿度ともに上がってインフル流行は未だ先の話になりそうです。

 

 そんなわけで予防接種のタイミングを計るのがとても難しくなっています。接種してから抗体が出来るまで約2週間かかりますので、流行してから射ったのでは間に合わないのです。

 一方、ワクチンの効果は平均して約3ヶ月しか持続しません。例えば、きょう(10/18) 射ったとして免疫の出来るのは10月末になります。それゆえ、効果のあるのは11,12,1月いっぱいまで と考えられます。

 

 つまり ―例年のインフル流行のピークは2月上旬ですので― その頃には免疫効果が薄れてきて、せっかく予防接種したのにインフルに罹ってしまうということになりかねません。そこで、いちばん良いのは1月なかごろに2回目の接種をすることだと思います。

 ところが、今年はワクチンの供給量が少なくて、2回目の接種が出来るかどうか不確実です。

 

 こんなことをあれこれ思案して、いつが今年のベスト・タイミングか?を見計らっているところです。長期天気予報も不確定要素が満載ですので、接種タイミングの決定は大きなギャンブルみたいなものです。