日々のあれこれ2017年07月05日
#34) 台風一過、十一夜の明月が…

台風3号、どんな嵐が…と身構えていましたが、三雲地方にはそれらしい雨風は無く、いささか拍子抜けでした。まあ、災害が無かったのは何よりです。

 

そんな台風でしたが、台風一過の快適さは一人前です。夜9:30頃には雲も晴れて十一夜の明月が南天高く輝いていました。昨夜は閏五月十一日。昼間の もわーっとした飽和水蒸気みたいな気持ち悪さが、一転 さわやかな夜となりました。

 

「旧暦が日本の風土に一致している」との思いは「美しい誤解」だと今まで繰り返し述べてきました。しかし、新暦(陽暦)と一致しない「季節の行事」ってのは確かにありますね。例えば7月7日の七夕です。でも、これは一致しないのが当然なのです。七月七日(七夕:しちせき)は「五節句」のうちの一つで、本来、陰暦によって定められた行事なのですから。

 

陰暦七月の中気は「処暑」(新暦の8月23日頃)ですから、陰暦七月は新暦8月にほぼ相当します。ゆえに、七夕は新暦8月の行事となり、梅雨は完全に過ぎて晴天の多い季節です。しかも、必ず七日月の夜です。ということは、月はほぼ上弦ですから満月の半分の明るさで、また夜9時頃には西の空低くまで下がっています。だから、天の川もよく見えるし、天頂近くのベガ(織女星)とアルタイル(牽牛星)もハッキリ見えるわけです。

 

節句の行事を新暦カレンダーで行うことの馬鹿馬鹿しさを思うものです。出雲大社の神迎え神事は必ず陰暦十月十日夜に行われます。これに ちなんで出雲暦(いづもごよみ)の十月を「神在月」(かみありづき)と称します。