顎関節症2023年07月10日
顎関節症の臨床.2−3

㉙ A 術後の顔

すべての不定愁訴(顎関節音、顎関節痛、開口障害、肩こり、頭痛、etc.)が消失

食いしばりによる筋肉の緊張がとれ健康となり、この人本来の柔和な顔に戻った。

 

㉙ B 開口時

術前に比べ、大きく開いた事がわかる。

顎関節の引っかかりと逆くの字型、顎関節音も無くなった。

右への偏位がなく垂直に開口している。

 

㉚口腔内正面

術前に比べ顎位が左後方 1.7mm 後方に移動した事がわかる。

この事からも術前は 1.7mm の偏位があり症状が現われた。

 

㉛~㊱

口腔内 右側方、左側方の写真からもわかるように咬合平面の乱れが消え上下顎歯列の凹凸が消えた。

 

㊲㊳

6│6 の挺出が無くなり、それに合わせて 6┓ ┏ ̄⑤ ̄6 ̄⑦ ̄ が作られている。

㊴パノラマ写真から咬合平面が設定され、 6│6 の削合により根管治療が行われたのがわかる。

 

㊵㊶ 前方運動での奥の歯の干渉が無いのがわかる。

 

㊷~㊺ 側方運動での奥の歯の干渉が無いのがわかる。

 

㊵~㊺

正しい顎位(中心位)での前後、左右がスムーズに動くようになる。

 

総費用 900,000円

 

まとめ

顎関節症の原因は 6│6 挺出による咬合平面の乱れにより、下顎のロックされた食いしばりが原因です。

顎関節治療に於いて求める治療のゴールは「審美と機能の回復」、「健康の維持」であり

そのゴールに到達する為に根の治療、補綴、歯周、矯正など歯科全般にわたる知識と技術を包括的に集約させた治療が必要です。

その為、現在の大阪歯科大学学長 川添先生が以前、講演された「顎関節症の治療」の中で

「私は顎関節症の治療は難しく同時に2人しか担当できないし、しない。」と言われたように治療には保険適応は無く、多くの費用と時間が掛かります。

そうならない為にも、早期発見、早期治療する事が大事です。