健康管理DES2021年06月23日
生活習慣・環境と生体リズム(4)

◆心のリズム◆

 

私たちの体は、自律神経と「内分泌系」・「免疫系」の機能調整を通して、ホメオスタシス(体の恒常性)を保ち、外部の環境から体内の環境を守っています。

しかし、寒暖の変化や経済情勢等の外的ストレッサーや、疲労・緊張・不安などの内的ストレッサーが、ホメオスタシスを崩し、生体リズムの乱れを生じさせてしまいます。

 

 

 

自律神経とホメオスタシス

http://chiro-kowutendes.com/ziritu-sinkei.html

 

 

ストレスとは

https://chiro-kowutendes.com/stress.html

 

 

●体がストレスを対処するシステム

  • 不安や焦りなどがあり、ストレスを覚えると↓↓
                
  • 「視床下部⇒下垂体⇒副腎という経路(HPA系)が働く」↓↓
                  
  • 「視床下部から下垂体へ副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)という物質が出る」↓↓
                 
  • 「副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)を受け取った下垂体は、副腎へ副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)というホルモンを出す」↓↓
                   
  • 「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を受け取った副腎は、
  • アドレナリンコルチゾールというホルモンを出す」↓↓
                 
  • 「アドレナリンは、体を緊張・興奮させ、ストレスに対処できるようにしている」↓↓
                  
  • 「コルチゾールは、いざという時のためにエネルギーを生み出せるよう、体内のブドウ糖や脂肪を増やし、ストレスに対処できるようにしている」

 

このアドレナリンの働きで、橋(きょう)のノルアドレナリンに火が付き、交感神経が働きます。

 

また、コルチゾールの働きで、活動するエネルギーを確保し、「闘争・逃走反応」が起こって、ストレスに対処できるようになっていくのです。

 


●短期的ストレスと長期的ストレス

 

短期的なストレスによって交感神経が緊張しているのであれば、

 

血圧の変化 / 呼吸数の増加 / 免疫機能が高まる

 

など、ストレス状況に対処できる体にしてくれるので、問題はありません。

 

しかし、長期的なストレスによって慢性的に交感神経が緊張してしまうと、不安状態になりやすく、免疫機能も疲労して病気にかかりやすくなります。

 

さらには、脳の忙しさによって、ノルアドレナリンセロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質が不足し、脳機能のバランスが保てなくなってうつ状態になる可能性もあります。

 

また、コルチゾールにはもう一つ役割があります。

コルチゾールが血液に乗って視床下部に到達すると、視床下部―下垂体―副腎の経路(HPA系)を鎮めてストレス反応を軽減させるという自制機能が働きます。

この機能は優秀ですが、繰り返しストレスが降りかかってくると、副腎の機能が過剰になってしまうのです。

すると、コルチゾールの増えすぎで、海馬などの脳の神経細胞が壊されてしまいます。

 

 


●ストレスとパニック発作

 

強いストレスを受ける状況でなくても、過剰なストレス反応を起こすことがあります。
これは、視床下部―下垂体―副腎の経路(HPA系)の機能が過敏になっていると起こります。

特に、幼少期に受けた強いストレス(トラウマなど)の影響があると、過敏な経路が作られてしまうのです。
そういう方は、一般的に弱いストレスでも非常に重大なことと受け止めて、強い交感神経の緊張が起こります。

この状態が癖になると、次第に不規則な脳の緊張が起こるようになり、何の被害がなくても交感神経が緊張することになるのです。
これが突然起こるパニック発作なのです。

一度パニック発作を経験すると、その壮絶な恐怖が「また...」という予期不安に駆られて、発作に関連する行動を避けてしまい、いよいよパニック障害へと症状が進んでいくことになるのです。

 

●ストレスと症状

 

ストレスを受けて交感神経が緊張するということは、体がエネルギーを生み出し、活動的になるということです。

ストレスを受けても、生み出されたエネルギーの適切な発散が行われれば体に害はありませんが、ストレスを我慢・抑圧することが習慣化して、エネルギーの発散が行われないと体に害が出てきます。

身体的症状では、

  • 首こり肩こり・頭痛腰痛・めまい・耳鳴り不眠

 

心理的症状では、

  • イライラ 不安 焦燥感

などです。

 

これらは、交感神経の緊張による自律神経失調症の症状です。
つまり、適切な発散が行われず、体に残ったエネルギーがくすぶっているのです。

くすぶったエネルギーが交感神経や筋肉を緊張させれば「コリ」が出来上がり、痛みがでます。

こうして、血流がスムーズで無くなればめまいや耳鳴りが起こり、脳の興奮が治まらなければ不眠となるのです。

これらの症状は、体がなんとかエネルギーを発散させようと頑張った結果なのです

 

 

 

 

 

 

 

(B)長期間ストレスを受けている人が、朝起きられない理由

 

副腎で分泌されるコルチゾールは、、ストレスがかかった際に分泌されて、身体を守る働きがあるが、過剰なストレスが長期間続くと大量のコルチゾールを分泌する必要があるため、副腎が疲れてしまうからです。

朝起きられないというのは、コルチゾールの分泌の乱によるもので、健常であれば、朝に最も多く分泌し、夜にかけて減少するところが、副腎の機能の低下により、これが逆転するからです。

 

 

(C)ストレスと免疫系

 

⓵笑ったり、笑顔を作ることでNK細胞が活性化し、免疫力が高まる

⓶ストレスを感じると、体温が低下し免疫力も低下する

⓷ストレスを感じると、白血球の比率は顆粒球が増え、リンパ球が減り、免疫力が低下する

⓸白血球のうち、リンパ球は体温が高い方が活発に活動し、免疫力が高まる

交感神経が働きすぎても、副交感神経が働きすぎても免疫力は低下する

 

 

 

(D)鬱病の目安となる症状と期間

※症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすようになった場合、うつ病と診断される。

 

 

 <症状>

・眠れない・起きられない・食欲がわかない・肩こり・手足のしびれ・背中や腰の痛み・息苦しい日が続く・頭痛・だるさ・吐き気など

 

<回復までの期間>(薬物療法の場合)

うつ病は診断を受けてから回復するまでに時間がかかるのが一般的で、その過程は、急性期・回復期・再発予防期の大きく3つの段階に分けられます。それぞれの期間は人によって異なります。

急性期:  (診断から3ヶ月程度)・・・

うつ病の診断を受けてから、十分な休養をとりながら適切な薬物治療を開始することで、1~3カ月ほどで症状が軽快(症状が軽くなること)するのが一般的ですが、人によっては半年以上かかるケースもあります。抗うつ薬による治療は少量から様子をみながら開始し、徐々に増量して治療に必要な量を処方することになります

回復期:  (4から6ヶ月以上)・・・

回復期には、調子がよい日の翌日にまた悪化するといったように症状が波のように上下しながら一進一退を繰り返し、徐々に改善していきます。調子のよい日が続いたからといって、「もう治った!」と勝手に判断して無理をしたり、薬を止めてしまったりすると、症状が悪化して回復までに余計に時間がかかってしまうこともあります。焦ることなく薬物治療を続けましょう。

 

再発予防期:  (薬物治療、1~2年以上)・・・

回復期を過ぎ、症状が安定して社会復帰を果たすことができても、まだまだ油断はできません。うつ病は再発しやすいという特徴があるため、回復期を過ぎても1~2年間は薬物治療を継続してうつ病の再発を予防しながら調子のいい状態を維持する必要があります。勝手に薬を飲むのを止めてしまうのは禁物ですが、飲み忘れにも注意が必要です。
薬を止める際には、かならず主治医の指示に従ってください。自分の判断で急に薬を飲むのを止めてしまったり薬の量を減らしてしまったりすると、めまいやふらつき、吐き気、嘔吐、倦怠感などが生じるおそれがあるからです。

 

 

 

※薬を使わない弊院(手技療法)の場合は?

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