健康管理DES2021年06月23日
生活習慣・環境と生体リズム(3)

◆食事のリズム◆

 気温・気圧。日の出や日の入りなど、私たちを取り巻く環境は24時間の周期で変動しています。

生体機能の日内リズム(サーカディアンリズム)は24~25時間といわれています。

つまり、地球のリズムに合わせて生活するためには体内リズムの調整が必要です。

「食事のリズム」は、その調整役の一つです。

 

関連;健康管理総合指導法

https://chiro-kowutendes.com/soushi.html

 


(A)食事は、1日3回、それぞれの時間帯での目的に応じた栄養素を中心に、偏ることなく適量を摂ることが理想とされます。

 

しかし、現状はライフスタイルやワークスタイルの多様化により、欠食率が増加しているため、「食事のリズム」が乱れやすくなっています。

 

 

 

朝食には、体の機能を目覚めさせ、1日の活動をスムーズにスタートさせる役割があります。

特に朝、目覚めた時の脳は、エネルギー不足に陥っています。

 

脳は、体重全体に占める割合でいうと、わずか2%ほどの量ですが、基礎代謝の約20%のエネルギーを消費しています。

しかし、脳の主なエネルギー源であるブドウ糖は脳内の貯蔵量が少ないため、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを利用して補われているのです、

 

また、脳に多く存在する脂質は、n-6系とn-3系の脂肪酸です。特に、マグロやさば・いわしなどに多く含まれる「EPA]

や「PHA」などのn-3系は、思考や判断のもとになる脳内の情報伝達をスムーズにします。

さらに、睡眠中に下がった体温を高め、脳や体を活性化させるのは、肉類や魚類、卵・豆類などに多く含まれるタンパク質であります。

 

これらの栄養素とともに無機質や、ビタミンを摂ることで、体内に取り込んだ栄養素をエネルギーに変えることができるのです。

 

 

 

昼食は、午後の活動エネルギーを補給するため、栄養素をバランスよく摂ることが必要ですが、腹八分目に抑えることが大切です。

そして、昼食時にゆっくり休憩をとると、高まった交感神経の働きを穏やかにさせ、副交感神経が優位になり、リラックスすることができます。

 

 

 

夕食は、一日中使った脳や筋肉の疲労を回復させ、身体のメンテナンスをするための食事として考えてください。

そして、夕食を就寝する3時間前までに済ませることで、質の良い「睡眠のリズム」が作られます。

その結果、寝ている間に最も多く作られる「成長ホルモン」の分泌を促進することができ、骨格や筋肉の維持に役立っています。

 

 

※このように、「食事のリズム」は「体温のリズム」や「心のリズム」、「ホルモンのリズム」、「睡眠のリズム」などと密接に関わり、私たちの健康を支えています。

 

 

(B)欠食による食後血糖値が体に及ぼす影響

欠食後(長時間空腹状態)の糖質負荷は、高血糖を招きます。朝に昼にと食事を抜く程に、血糖値の上昇率が急であり、欠食は体脂肪の蓄積が増加し、「肥満や高脂血栓」など生活習慣病の発症を助長します。

脳、神経系へのエネルギー補給の観点からも問題が起こります。

 

 

(C)ベジタブルファーストの推奨

消化管のリズムに関しても、食事の際には、いつも野菜から食べ始める習慣をつけると良いでしょう。

 

⓵「満腹感を感じられるため、食事の量が少なくなる。」

⓶「野菜に多く含まれる食物繊維が、コレステロールの排泄を促す。」

といった利点があります。