健康管理DES2021年06月23日
生活習慣・環境と生体リズム(2)

我々人類は、体の中に「体内時計」を持っており、そのリズムに沿った暮らしをすることが、人間本来のあり方でした。

 しかし、現代のライフスタイルは、深夜のコンビニ・スマートフォンの光・栄養の偏った不規則な食事や睡眠時間などが当たり前になっているのが現状です。

実は、そのことが「体内時計を狂わせ、様々な体の不調や病気を招く原因になっていることが判明しています、 (にもかかわらず、各人の認識と行動は非常に低く、予防という概念の定着はまだまだ先の事なのでしょうか?)

どんなに時代や生活様式が変わっても、生体リズムは「体内時計」によって刻まれています。

この体内時計(自律神経)の乱れにより、未病から生活習慣病発症へと繋がっていきます。

 

◆心臓のリズム◆

心臓のリズムは、体の状態に合わせて心臓自身が自動的に調整しています。

この心臓の調整機能は自律神経によって支配されています。

例えば、日中に仕事やスポーツなどで活動して、交感神経が働くと、「カテコールアミン」というホルモンが分泌地され心拍出量が増加し、血管が収縮して血圧が上昇します。

一方、休息時や睡眠時に副交感神経が働くと、「アセチルコリン」というホルモンが分泌されて、心拍出量は減少し、血管は拡張して血圧は低下するのです。

 

●心臓のリズムが乱れて起こる「不整脈」 心臓は一日に約10万回、休むことなく心拍のリズムを刻み続けています。

この心拍リズムに乱れが生じた状態を不整脈と言います。

※生命に関わる危険な不整脈 として、 「心室細動」・「心房細動」・「徐脈(洞不全症候群)」 が挙げられます。

 

【心室細動】 心臓の心室が小刻みに震えて、全身に血液を送ることができない状態。

原因: ⓵心筋梗塞や心不全などの心臓病の進行に伴って起こるもの  ⓶血液中のミネラルバランスが崩れて起きるもの   ⓷先天的な病気に起因するもの

症状: 脈拍喪失、意識消失、全身けいれん無呼吸ないし喘ぎ呼吸

リスク: 突然死

 

【心房細動】 心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が不規則な間隔で起こる状態

原因: ⓵心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる  ⓶心房が規則正しく収縮できなくなるため

症状: 動悸・胸の苦しさ(胸が痛い・胸が躍る・胸がモヤモヤする)  息切れ・めまい・疲れやすい

リスク: 脳梗塞(特に脳塞栓症)・心筋梗塞

 

【徐脈】 徐脈は、脈が遅くなる不整脈で、通常1分間の脈拍が60回未満になることを言います

脈拍が少ないため、心臓は日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができません

このため、めまいや息切れを起こすのです

原因: ⓵遺伝性心異常  ⓶薬物治療の影響または、副作用  ⓷自然な老化現象  ⓸心臓発作による組織変化

症状: めまい・失神・過度の疲労感・激しい息切れ

リスク: 症状が治まらないと ・心不全を起こす ・ペースメーカーが必要になる

 

●不整脈の診断には、心臓が拍動する時に発生する電気刺激の伝わり方を調べる「心電図検査」が重要です。

 

●命に関わる危険な不整脈が午前中に多く起こりやすい理由= 自律神経は、夜間の睡眠中に副交感神経が優位で、朝の起床時間が近づくと交感神経が優位になる。

その切り替わり時間帯にある早朝には血圧が上昇し、心拍も早くなっているため、午前中は心臓に負担がかかり、不整脈が発生しやすくなる。

 

●不整脈の発症予防のための生活リズム= 不整脈を起こす要因は、心臓病に限らず高血圧や高血糖など動脈硬化を促し、結果的に心臓に負担をかけることで発症する。

その根底には「肥満・糖尿病・運動不足」などが影響しているため、食事や生活習慣を改善し、血圧や血糖値を良好な状態にコントロールすることが、予防にも治療にもつながる。