顎関節症2023年07月10日
顎関節症の臨床.1

子供の顎関節症

    11才2ヶ月 男

①顔 下顎の右側偏位と口角のひきつれを認める

 

②③④

下顎の右側偏位と三次元的な典型的な姿勢の乱れを示す。

右肩下がり左肩上がりと顎位、肩、腰、脚のねじれが見られる。

この三次元的乱れと歪みをとり、その歪を正す方向が治療方針です。

 

診断は右顎関節症で子供ではでにくい、筋(胸鎖乳突筋)の拘縮から肩こり右側偏頭痛を認める。

 

⑤~⑫口腔内所見

6┫ の反対咬合がみられ、下顎のロック状態が右側偏位と全身に影響を及ぼしている。

 

 

⑬~⑰

下顎の右側偏位の原因となっている 6┫の反対咬合によるロックを解除、及び 3┛の萌出スペースを作る為上顎 6┛の後方移動、拡大し歯列を並べる為、上顎 6╋6 にマルチブラケット装置を装着。

顎関節症を治療するには上顎のみの矯正だけで充分と考え、動的治療を4ヶ月間行ないその後、保定を3ヶ月行ない治療を終了した。

 

治療方針

不正咬合が原因での、右側偏頭痛、肩こり、顎関節音等を除去する為、上顎のみの矯正を行ない顔、身体のねじれ三次元的乱れと歪みをとり、その歪を正す方向が治療方針です。

 

⑱術後 顔

下顎の右側偏位がなくなり、それとともに口角のひきつれ、筋の拘縮もなくいままでの痛みがなくなり顔が柔和となった。

下顎の偏位、右肩下がり左肩上がりが消え、肩のラインが揃った事からもわかるように、顎位、肩、腰、脚のねじれがなくなり、三次元的な乱れと歪みがとれ正常となった。

それとともに筋(胸鎖乳突筋)の拘縮、顎関節音、肩こり、右偏頭痛が消失した。

 

㉑~㉗口腔内所見

6┫の反対咬合もとれ、不正咬合がなくなった事により、左右均等に咬める様になり咬む力が強くなった。

 

まとめ

このケースが示すように、咬み合わせの異常は下顎の偏位、口角のひきつれ、偏頭痛肩こり、左右の肩の高低に現われる。

言える事は、これを放置すると顎の変形、身体の歪みの固定化につながり複雑化します。

その為、顎関節症は初期治療が大切なので、早く正常に戻し健康にしたいものです。

 

   ・総費用 矯正治療 400,000円