顎関節症2023年07月10日
コロナ禍の中、増える歯科トラブルと顎関節症

2019年12月初旬にコロナ発生後、3年半経過。

今、コロナ減少とマスク無しの社会に変化しています。

歯科界も影響を受ける中、矯正歯科の需要が増えています。

マスク着用で「今がチャンスだ!」という認識があるのでしょう。成人のマルチブラケット装置(ワイヤー矯正)が目立っています。

特に若い女性の増加が目立ち、患者の半分を占め、半年待ちは当たり前だという盛況ぶりです。

半面、マウスピース型矯正装置(インビザラインなど成人のアライナー矯正)の増加による

歯科トラブルが激増しています。

私自身、大学矯正科で5年在籍しやっとマルチブラケット装置ができるようになった経験もあり

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は大学での経験等関係なく、簡単な講習会を受講すればインビザライン矯正治療ができる事から、行なう歯科医が増えています。

ワイヤー矯正はインプラントに比べ長期間の大学矯正科での勉強が必要であり、大変難しい治療です。

一方、マウスピース型矯正(インビザライン)は易しい矯正治療には適応しているが

顎の位置のずれを改善しなければならない症例には全く適応できません。

その結果、顎関節症の患者が続出しています。

事実、歯を無理やり並べる為、IPR(歯のコンタクト部のエナメル質を削る)によりエナメル質の下にある象牙質が露出し、虫歯になるケースや咬み合わせを調整する為の咬合調整をされ過ぎで石臼みたいな咬合面になり、セカンドオピニオンで矯正専門医に来院する患者が増加しています。

今や、歯科に係る訴訟は、インプラントを超えて矯正が一番多くなってきています。

なぜトラブルが多いかと言うと、矯正の成否は診断で決まります。

スタートでの診断ミスがトラブルの原因です。

 

 

             歯科医師 岸田 直道

             平成5年4月~平成20年3月 朝日大学歯学部矯正学教室 非常勤講師